2016年に映画化されたことでも話題になっている飛行機不時着事故からの奇跡の生還劇「ハドソン川の奇跡」。
映画「ハドソン川の奇跡」は実話を元に忠実に再現されたと言われていますが、実際は出来事の内容が少し違っていたなんてこともあるかもしれません。
今回は映画「ハドソン川の奇跡」と実際に起こった飛行機不時着事故からの奇跡の生還劇の違いや、映画でなぜ英雄が容疑者扱いされてしまうのかについて掘り下げていきたいと思います。
ハドソン川の奇跡のあらすじ
「ハドソン川の奇跡」とは、2009年1月15日に実際に起こったエンジン機能停止による大型旅客機不時着事故が起こったにも関わらず、死者を誰1人出さなかったという奇跡的な生還劇のことです。
通常ならば大型旅客機のエンジンが停止となると、どこに不時着するか分からず、乗客は死を覚悟することになります。
しかし、その旅客機の機長の適切な判断により、ハドソン川の水面に着水したことで多くの命が救われました。
2009年1月15日、ラガーディア空港発シャーロット空港行きのUSエアウェイズ1549便(エアバスA320、コールサイン:カクタス1549)は離陸直後、巡航高度に向かう途中に鳥の群れに接触し、鳥がエンジンに吸い込まれ、両エンジンが機能停止してしまう。1549便の機長チェスリー・サレンバーガー(愛称サリー)と副操縦士のジェフ・スカイルズは、推力を失った機体を出発地ラガーディア空港に引き返えそうと試みるが、高度が低すぎたため絶望的であり他の空港にも着陸は不可能と考えたサリーは、やむを得ず眼下に流れるハドソン川に機体を着水させることを決断。サリーの巧みな操縦により着水の衝撃で機体が分解することもなく、またクルーの迅速な避難誘導や救助が早かったことなどもあり、大型旅客機の不時着水という大事故ながら、1人の死者も出さなかった。
このニュースは全米はおろか世界中で「ハドソン川の奇跡」と銘打たれ、サリーは一躍ヒーローとなる。しかし後日、NTSBの事故調査委員会の調査によりシミュレートを行った結果、1549便はラガーディアにも他の空港にも着陸が可能だったという報告を突き付けられた。サリーとスカイルズは「あり得ない」と否定するが一転、二人は疑惑の人物となってしまう。議論の場は公聴会で行われることとなり、サリーはある要求を同僚に頼む。
果たしてサリーの行動は正しかったのか、それとも乗客の命を危険に晒す行為だったのかが明かされていく。
引用:Wikipedia
ハドソン川の奇跡と実話とは全く違った?
(1)サリー機長は容疑者扱いはされていない
映画「ハドソン川の奇跡」では旅客機を操縦していたサリー機長が不時着事故が起こった後に、NTSB(国家運輸安全委員会)によって、事故が起こったことに対して問い詰められます。
NTSB(国家運輸安全委員会)がサリー機長を疑うことで、まるで事故を起こした容疑者かの如く表現されています。
しかし、実際に起こった「ハドソン川の不時着事故」では、モバイルスロットカジノ事故後にサリー機長の操縦の判断がNTSB(国家運輸安全委員会)によって疑いをかけられることはなかったようです。
事故後にサリー機長はNTSB(国家運輸安全委員会)の取り調べを受けていますが、悪魔でもマニュアル通りに進められただけだったそうです。
そして、サリー機長の適切な操縦判断により多くの命が救われたという情報は全米に広がり、彼はすぐに英雄視されることとなっています。
(2)実際は映画よりも奇跡的だった
見事、旅客機をハドソン川に着水させ乗員全員の命を救ったサリー機長。
映画では「ハドソン川の奇跡」というタイトル名と付けるくらいなので、地面の頑丈な陸地に不時着させ機体を破壊する確率が高い状況だったにもかかわらず、無事、水面に着水させ機体や乗員のダメージを最小限に抑えたことが奇跡的に描かれています。
また、ハドソン川に着水した機体から乗員を救助するシーンもありますが、割とスムーズな印象がありました。
しかし、映画視聴者側から見ての不時着に成功した安心感よりも、実際に事故を経験した乗員側からしての機体が沈没するかもしれない恐怖の方がかなり大きかったのではないかと考えられます。
事故当日は真冬で気温-6℃・水温2℃の極寒だったため、乗員が川の水に浸かってしまった場合は、心臓発作などを起こす可能性があります。
せっかく不時着時にダメージがなかったのが、台無しになってしまうでしょう。
実際は、旅客機の着水成功もそうですが、旅客機に乗っていた乗員全員が救助されるまで沈没しなかったのもかなり奇跡的だと言えます。
英雄が容疑者扱いされた理由はなぜ?
映画「ハドソン川の奇跡」では旅客機をハドソン川に着水させ、多くの命を救ったはずの英雄・サリー機長が容疑者扱いされてしまいます。
その理由としては、NTSB(国家運輸安全委員会)がもっと他の安全な場所に着陸させることによって、旅客機の浸水を防ぐことができたのではないかと主張したからです。
- 乗員をハドソン川に溺れさせるようなリスクある中で、旅客機を着水すべきだったのか
- 旅客機をハドソン川に浸水させることで、エンジン修理だけで済んだものを台無しにした
実際の話では、NTSB(国家運輸安全委員会)にこのような主張など一切されていませんが、やはり少しフィクションの部分もストーリーに組み込まれています。
映画視聴者の感情を揺さぶり、もっと見ごたえある映画にしたかったからなのか、実際の話よりも少し盛った印象です。
今回の記事のまとめ
今回は映画化された実際に起きた旅客機の不時着事故「ハドソン川の奇跡」について、映画と実話の違いや映画で旅客機の機長が容疑者扱いされた理由について調査していきました。
映画と実話については多少は違いがあるものの、実際に事故が遭った時と同じ旅客機(エアバスA320)を映画の撮影に使っているなど、事故当時をリアルに再現した素晴らしい映画となっています。
実際は、ハドソン川に旅客機を着水させ乗員全員の命を救ったサリー機長はすぐに英雄となりますが、映画で事故後に容疑者扱いされるシーンも見物です。
興味がある方は是非、一度、映画「ハドソン川の奇跡」をご視聴してみてくださいね。